
リノベするなら気をつけておきたい「PS(パイプスペース)」の位置
間取り図で目にする「PS」という文字。実はこれ、リノベや家具配置に影響する大切なチェックポイントなのです。この記事では、初めての中古マンション購入を検討しているファミリーに向けて、「PS(パイプスペース)」の基礎知識から、確認しておくべきポイントまでやさしく解説します。
「PS」ってなに?間取り図で見かける小さなヒント
「PS」は「パイプスペース(Pipe Space)」の略で、水回りの給水管や排水管を通すための専用スペースのこと。見た目には小さな表記ですが、住まいの快適さや将来のリノベの計画に関わってきます。MB(メーターボックス)やDS(ダクトスペース)など、似た記号もありますが、PSは特に、給水・排水に特化した重要な存在。PSの位置によっては、家具をうまく配置できなかったり、思い描いていた間取りの変更が難しくなることも。物件選びの段階から意識しておくと、リノベ工事の時に「こんなはずじゃなかった」となるのを防げます。

快適に暮らすために、PSの位置による影響
デザインリノベを検討しているファミリーにとって、暮らしやすい間取りはインテリアと同様に大前提。PSの位置は、自宅はもとより、隣戸のPSがリビングや寝室など、日常の中心になるスペース近くにある場合、水の流れる音が気になることがあります。また、PSは基本的に移動させることができないので、空間を思い通りにコーディネートするには要注意です。中古マンションを選ぶ際は、PSの位置を確認しながら、理想のレイアウトが実現できるかをイメージしてみましょう。
特にファミリーむけの住戸では、子ども部屋やワークスペースの確保にもかかわってきますので、気をつけて見ていきましょう。

リノベーションを考えるなら、PSの“動かせなさ”を知る
移動が難しい「PSの位置」は、間取り変更をともなうフルリノベーションを希望する場合は要注意です。たとえば、キッチンをアイランド型にしたいと思っても、PSの位置によっては給排水が届かず、理想の設計が叶わないこともあります。また、古い物件で使われている配管の材質によっては、健康面が気になることも。購入前には、不動産会社の担当者を通じて配管の材質や交換履歴を確認し、必要であれば専門家の意見を仰ぐのもおすすめです。インテリア不動産では、お客様のご要望に応じて、一級建築士事務所の立ち会いによる現地調査を実施しています。

内覧時にチェックしておきたい「PSのリアル」
実際の内覧では、PSがどこにあるのかを、間取り図だけでなく現地で確認しましょう。PS付近で音がどのくらい響くのか、においが気にならないか、家具の配置に支障がないかを時間帯を変えて体感してみると、暮らしのリアルが見えてきます。また、築年数が古い物件では配管の劣化にも注意。マンションなら管理組合が保管している「重要事項調査報告書」などをチェックし、保守点検の記録を確認しましょう。購入する予定の区分所有部分の配管が劣化していて取り替えが生じるのであれば、その費用もリノベ予算の中に組み入れる必要があります。

まとめ
リノベ前提での内覧のみならず、中古マンションの購入を検討するなら、間取り図にある小さな「PS」表記には注意が必要です。日々の暮らしに関わるからこそ、PSの位置や状態をしっかりと確認して、購入後の生活や資金計画に照らし合わせて判断していきましょう。「好きなデザインでリノベして暮らしたい」という想いを叶えるためにも、図面にある小さなPSの表記にそっと目を向けてみてくださいね。