下北沢フルリノベーション事例(2) – 思い出、素材、友達と集まるリビング
バンクーバーで暮らした思い出を住まいに
打ち合わせを進める中で、高瀬さんが印象的だったのはご夫妻の言葉でした。
「バンクーバーで暮らした時間を大切にしたい」
ご夫妻は結婚後、カナダ・バンクーバーで生活していた経験がありました。
そこで感じた空気感やインテリアの記憶を、新しい住まいにも取り入れたいと考えていたのです。
素材からつくるバンクーバーテイスト
空間全体は、日本の一般的なマンションとは少し異なる素材で構成されました。
まず床には、深い色合いが魅力のアカシア無垢フローリングを採用。
豊かな木目が空間に温かみを与えています。
さらに天井にはモルタル左官仕上げを施し、素材感のある落ち着いた表情を演出。
壁の一部にはホワイトタイルを採用しました。
どこか海外のアパートメントを思わせる空気感があります。
また、ブルーをアクセントカラーとして取り入れ、
ドアも既製品ではなく塗装仕上げで統一。
細部まで世界観を整えていきました。

デザイナーが決めるのではなく、一緒につくる
印象的なのは、デザインの決定プロセスです。
高瀬さんが一方的に提案するのではなく、ご夫妻も打ち合わせに積極的に参加しながら、一緒に素材や色を選びました。
「お施主様と一緒に、バンクーバーらしい雰囲気を感じられるアイテムを選んでいきました。」
住まいづくりは、完成品を購入することではありません。
自分たちの価値観を形にしていくプロセスでもあります。
その時間そのものが、この住まいへの愛着につながっていったのかもしれません。

友人が集まるリビング
ご夫妻はもう一つ希望を持っていました。
それは、
「友人が集まれる家にしたい」
ということ。
リビングには床コンセントを設置し、
鍋パーティーやホームパーティーなども想定しています。
家族だけでなく、人とのつながりも大切にしたい。
そんな暮らし方が空間の中に組み込まれていました。


株式会社MADARA 代表取締役/一級建築士
高瀬 友基(たかせ ゆうき)
1982年生まれ、神奈川県横浜市 出身。
東京理科大学工学部建築学科卒。
建築家の建築設計事務所を渡り歩き、リノベーションに出会う。
住宅・事務所・店舗・宿泊施設・収益不動産など設計施工500件以上に携わる。
目的とターゲットを起点に、土地・建物・人の文脈を読み解き、見立てによってストーリーとデザインを統合する独自の設計アプローチを実践。空間が変わることで人の意識が変わり、人と空間が与え合う正の循環が生まれることを、数百件の設計を通じて確信している。
日本空間デザイン賞2019 入選(2作品)
「東海道BEER川崎宿工場」「MADARA OFFICE」
東京新聞・Yahooニュースほか
雑誌・新聞メディアに多数掲載